パスがうまいGKが重宝される現代の戦術の面白さ

サッカーゴール

昨今のサッカーの戦術は急激なスピードで進歩しています。そんな中、GKの役割は監督によるチーム戦術によって変わってきます。さらに、ITの進展によって国を越えた情報が飛び交うようになり、監督が目指すサッカー戦術に明らかな変化が生じています。このような変化の中でGKは色々なスタイルを確立してきました。その一つがバックパスが廃止されたことによるGKの役割の変化です。

元来、バックパスはGKによる時間稼ぎの一面から良いプレーと考えない傾向がありましたが、1990年のワールドカップでのアイルランド代表の明白な時間稼ぎから批判が高まりました。これを危惧したFIFAが1992年ヨーロッパ選手権で、GKが味方選手の足でのバックパスを手で扱うことを禁止したのです。バックパスをした場合にはボールを手で扱ったGKが反則をしたことになり、この位置から間接フリーキックが与えられます。このような新たなルールを盛り込む理由は、時間稼ぎの防止と興行面での面白さ重視という2つの側面があります。そのため、GKはバックパスを回避して自らの足でキックしなければならなくなり、ゴールキーピングに加えて正確な足元でのプレーが重要となったのです。

そして、GKは攻撃のビルドアップの要として戦術に組み込まれるようになってきています。攻撃をビルドアップするとは、GKから守備選手、そして中盤選手からゴールゲッターへとパスやドリブルで攻めることを言います。このようにGKは攻撃的な役割を与えられ、守るだけの存在から攻撃の起点を作る存在となり、パスがうまいGKが重要視されるサッカー戦術に繋がっているのです。


モチベーション次第で結果が大きく左右される

息を呑む

プロのサッカー選手であっても、時にはモチベーションが上がらないこともあります。スポーツ全般に言えることですが、特にサッカーは選手のモチベーションが結果に大きく影響する競技です。裏を返せば、モチベーション次第で弱小チームが強豪チームを打ち負かす「ジャイアントキリング」を起こしやすいスポーツとも言えます。ただし、相手選手とのモチベーションの差は怪我を招くリスクを上げてしまうことにも繋がります。例えば、実力が劣る相手に対して見下した態度を取ったり手を抜いたプレーをしていると、相手選手は「一泡吹かせてやりたい」という気持ちで勢いよくこちらに向かってくるでしょう。それが荒いプレーや乱暴な行為に繋がり、結果として怪我を誘発してしまうのです。また、一人の選手がモチベーションを低くプレーしていると、それがチーム全体へと伝染して歯車が狂ってしまうこともあります。一度チームの歯車が狂うと簡単には元に戻せません。選手交代やハーフタイムに監督が檄を飛ばすことで盛り返す場合もありますが、大抵は思うような結果には繋がらないことが多いです。

サッカーにおいて、モチベーションが重要なウェイトを占めていることはクラブ経営者も周知しています。そのため、戦術家よりもモチベーターとしての能力が高い監督をチームのトップに据えるクラブも珍しくないようです。緻密な戦術を指示する監督よりも「頑張れ!」「最後まで走り抜け!」といった選手のモチベーションを上げるような言葉を使いこなす監督の方が、案外強いチームを作り上げるのかもしれません。