ベルギー代表の多くがプレミアリーグでプレーしている
世界でも最高峰のサッカーが展開されているイングランドのプレミアリーグでは、ベルギー代表の面々が旋風を巻き起こしています。彼らが所属しているのはチェルシーやリヴァプール、トッテナムといったビッグクラブばかりで、それぞれレギュラーの地位を確立して結果を残し続けています。
プレミアリーグでここまでのベルギーブームが起きている理由は、ベルギー国内における育成改革が成功を収めたからに他なりません。ベルギー代表は母国で共同開催したEURO2000と、続く2002年の日韓ワールドカップで早期敗退の憂き目を見ました。この惨敗を契機に、ベルギーサッカー協会は大規模な育成改革に取り掛かります。下部組織に20億円以上も投じたり、国外の名門クラブへ若手選手を武者修行へと送り出すなどあらゆる手を講じました。苦節十年の末、ベルギーサッカーはプレミアリーグをも席巻するほどの実力を手にしたというわけです。まだ荒削りな未来のスター候補生たちを国外のクラブへ次々と送り出し、その多くが生活環境に順応して成功を収めた最大の理由はベルギーのお国柄にあります。
欧州のヘソという異名を持つベルギーは、車で数時間も走ればオランダやフランスといった隣国の国境に接することができます。単一の母国語を持っておらず、一般的なベルギー人はオランダ語やフランス語、さらにはドイツ語に至るまでの多言語を自在に操ります。そうした生活環境により、幼い頃から異なる文化に慣れ親しんでいるベルギー人は外国へ行ってもすぐに適応できてしまうのです。おまけにイングランドとベルギーの気候はほとんど大差がないため、ベルギー人のプレミアリーグ適応力は欧州随一と言っても過言ではありません。また、プレミアリーグがフィジカル勝負を重要視するリーグであることも、身体能力に優れたアフリカ系の移民が多いベルギーにとっては打ってつけです。
プレミアリーグに所属する外国籍選手の中で、ベルギー人が最も多くの割合を占める日が訪れるのもそう遠い未来ではないのかもしれません。